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【Netflixドラマ『三体』】原作未読者の感想と評価/どこを切っても面白い!盛りだくさんSF!

不穏度

40(100を満点として)
不穏なのは冒頭。あとはSF。サイコーです

基本情報

■配信しているところ:Netflix(2024/3/23現在、最も低額なプランは月790円の広告付きフルHDプラン。映画の途中で広告が入るのですが「三体」はNetflixオリジナルドラマのためか、8話一気見して一度も広告入りませんでした!
■現在観られるのは8話まで!:今シーズンは8話まで。最も短い回は44分、長い回は63分。
■吹替版なし:2024/3/23現在、日本語吹替版はありません。字幕で観るべし!

第一話「カウントダウン」のあらすじ

以下、Netflix公式サイトから

才能豊かな5人の友が天地を揺るがす恐るべき事実を発見。時空をまたぐ壮大なスケールで科学の法則が解明され、人類存亡の危機が明らかになっていく。

評価と感想

うわあ〜面白かった!3話観て一回寝て、またぼちぼち観ようと思ってたんですけど結局気になって気になって翌日全8話最後まで観てしまいました。
普段は種類豊富なアマプラで映画を観ているんですが、映画もドラマもオリジナル作品のクオリティが高いNetflixは観たいものがある時だけ1ヶ月とか2ヶ月契約してまた解約…を繰り返しています。これまでも「ストレンジャー・シングス」「OA」「イカゲーム」「サンクチュアリ」など様々なネットフリックスオリジナルドラマを一気見してきましたがそんなこれまでの話題作に引けを取らない面白さ!
ちなみに原作は未読。宇宙ってロマン!宇宙船カッコいい!!って理由でSFは好きなんですけど、地アタマの悪さが災いしてか3ページ以上を読めないんすよ。まずだいたい設定が理解できない。サイエンス・フィクションってのは最新科学とか物理学と地続きになっているわけですがそもそもキホンの科学が理解できてないからさあ…。物理の成績2だったからさあ…。だからこうして映像化してくれるのありがたいですホントに。本作も単行本が本屋に平積みになっていた時から興味津々だったんですが「読みきれないだろうな〜」と諦めてたんで。ちなみに検索してみると原作を読んだ方のドラマへの評価は概ね低い。そりゃ仕方ないと思います。

さて、本が話題になっていた時から「何だ?そのタイトル?」と思っていた「三体」。これ「三体問題」という古典力学の用語だとか言うじゃないですか。Wikiによれば「互いに重力相互作用する三質点系の運動がどのようなものかを問う問題」だそうで、解けないっちゅうか法則はないと言われているそうな。SF「三体」の中には3つの太陽(恒星)が天を巡る星を母星とする宇宙生命体が出てきます。法則がないってことはいつ3つの太陽が遠く離れて氷河期になるかあるいは近くなりすぎて灼熱地獄になるか分からない。「暦」が作れないわけです。農耕に大切な暦が作れないのは困ります。だから太陽が一つだけの惑星、地球にやってくる…みたいな話。
…みたいな話、と簡単に書きましたがこれはごく一部でして、このドラマは血塗られた中国の近代史だとか、若き科学者たちの青春模様だとか、進化したゲーム世界だとか、宇宙を光の速さで進む技術だとか、監視社会って怖いわあとか、「400年後の異星人襲来」を知った人類はどう生きるのか?、神とは?宗教とは?などなど、実に様々なトピックスがレイヤーになって重なっているのです。
特に面白かったのが文化大革命の描き方。つかみのエグい衝撃シーンです。えーっ中国人作家がこれを書いてこの悲惨なシーンが全世界に配信されるとは…。ちなみに同作は先に中国のエンタメ会社テンセントでドラマ化されていますが、文化大革命のシーンはかなり縮小されているとか。(しかしここを端折ると人間ドラマの肝心なところが伝わらないんですよ!テンセント版はどう処理したんだろう…?)

んでですね、小説版の「これからさらに面白くなるで〜」ってところまでまだ描かれていないらしいんですがシーズン2が制作されるかは未定(24/3/23現在)だそうな。Netflixは視聴者数が少なければ続きが気になるドラマでもあっけなく終わります。小説「三体」はヒューゴー賞も受賞し世界中で話題になりましたが、どうも今回のネットフリックス版はあんまり話題になっていないような…。シーズン2のためにも!皆さんぜひ観てみて下さい!何となく宇宙好きだけどSF小説は難しすぎて…というワタシのような方におすすめです!普段は映画だけしか書かないこのブログでも書きたくなるほど面白かったです!!

Netflixオリジナル作品では「ローマ」も素晴らしかった!三体と打って変わって地味ですがいつまでも胸に残る良作です。レビュー置いておきます。
kyoroko.com