不穏度
100(100を満点として)
狂っているのは世界か自分か。
評価
45分という短さながら、初手から怖い上にすんごい面白かったですよ!!ワタシ的には大好きな「CURE」に続く傑作なのでは?!と思います!
昨年夏頃から「黒沢清監督の新作映画が観られるらしい、しかも『CURE』に雰囲気が似てるとか似てないとか」というネット上の記事を目にしてまして今か今かと公開を楽しみにしていたんですが、劇場公開でも配信でもないということが判明しました。(追記:その後劇場公開されました!)NFTっていうんですか?シリアルナンバーのついた999本を限定販売して買った人が観られるという新しい仕組みのみで視聴が可能なのだそうです。なのだそうです、って所で気づいていただきたいのですが、そうなんです、良く分からないまま買っちゃったんですよ。CUREっぽい作品観たさに。1万4850円出して。結果、大正解でしたよ!!
この傑作がいまいち話題になってないのは残念でありますが…
Chimeとは?〜あらすじ〜
<以下公式サイトより引用>
料理教室の講師として働いている松岡卓司。ある日、レッスン中に生徒の1人、田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と、不思議なことを言い出す。事務員の間でも、田代は少し変わっていると言われているが、松岡は気にすることなく接していた。 しかし別の日の教室で、田代が今度は「僕の脳の半分は入れ替えられて、機械なんです」と言い出し、それを証明するために驚くべき行動に出る。田代の一件後のある日、松岡は若い女性の生徒・菱田明美を教えていた。淡々とレッスンを続ける松岡だったが、丸鶏が気持ち悪いと文句を言う明美に、彼は――。 松岡の身にいったい何が起きたのか。料理教室で、松岡の自宅で、ありふれた日常に異様な恐怖がうごめき始めたのだった…。
感想
脚本・監督:黒澤清。監督の思う「もっとも怖い3つのこと」、つまり【殺すこと】【殺されること】【幽霊】が揃い踏みで観られるというお得感!いやそれはお得なのか?よくわかりませんが怖いわ面白いわコンパクト(45分)だわでサイコーじゃん?!
主演の料理教室の先生っていうのが吉岡睦雄さん。もうね、顔が怖い。こええよ。そんで、毎度ながらロケーションが素晴らしくて。冷たい光を反射させる業務用ステンレスシンクが並ぶ料理教室があんなに怖いとはね。窓の外を走る電車の影とかさあ、すごいのよ。線路沿いにある教室だから電車が通るとそのたびに窓から光と影が交互に入り込むんです。その影の中に何かが映っているような気がしちゃうんですよ。黒沢清作品だからという先入観もあるのかも知れませんが、もう冒頭から怖い。
あと吉岡さん(料理教室の先生)のシャツの色がとても綺麗で「おしゃれな人なんだな〜」と思わせといて、全身を見せるとパンツの丈が微妙でね。それはおしゃれなのか?おしゃれかもだけどクセ強めだな…?いや、この人実は微妙にズレてるのか…?!って観客を惑わせるチグハグさも後の恐怖の前触れだったりするんです。
そうなの、全部怖いの。面白いの。世界と主人公と自分とを繋いでいた正中線が傾いていく、この感じ。チャイムが鳴るから何かが起きるっていう法則性もないのが良いです。…って好きなところを語り出すとキリがないのでこの辺にしときますが、とても面白かった!CUREが好きな方は間違いなく好きです!強いていえばもう少し長く観たかった!です!
メイキング映像「料理人たち」感想
んでですね、作品を購入すると一緒にデジタルポスターと、メイキング動画がついてきます。撮影現場と俳優たちのインタビューからなる本編よりも長いメイキング動画(笑)ですが、映像制作を勉強されている方にはとても参考になるのでは?!
いくつか「すげー!」って思った場面があるんですが、上記感想で書いた「教室の横を電車が通ると光と影が交互に差し込んで〜」という場面。あれ、照明さんが(おそらく)手作りの装置を手で動かして作ったものでした。ステンレスのような光を反射する板を八角形につないで、ぐるぐる回してたんです。なんというアイデア!照明さんの仕事ってほんと面白いですよね〜。
他、どこまでが「映画のための作りもの」なのか気になっていた部分、、、例えば料理教室の前の道路に妙にくっきりと残るタイヤ痕とか、主人公が死体を運ぶ場面にちょうど通る電車などには言及がなかったんで、たぶん「たまたま」なんでしょう。「たまたま」が、作中に流れる「うすら怖さ」の演出にちゃんと寄与しているところがさすがと言いますか。こういうのは場数の多さだよな、と思います。
購入&レンタル方法
「Chime」を販売しているのは『クリエイターとフォロワーを “合法的に” つなぐプラットフォーム』ロードステッドです。公式Xリンク貼っておきます。
\\ 『Chime』発売開始 // https://t.co/oHsP9wL0Mh
— Roadstead Official (@roadstead_info) 2024年4月12日
全世界999個限定、黒沢清監督最新作『Chime』を Roadstead でぜひお楽しみください‼️#Roadstead #Chime #黒沢清 #KiyoshiKurosawa #Berlinale #Berlinale2024
購入すればレンタルやリセールも可能。そんでそのお金がちゃんとクリエイターにも渡るらしい。推し活にもなるのですわ。
2024/9/18追記 現在購入できるのはリセール品のみのようです。
レンタルで観たい!という方がこちら↓から。450円からですが価格が異なるのは購入した方が好きにお値段を付けているからです。ワタクシKYOROKO購入分もレンタルしてます〜
↓「Chime」のメイキング映像「料理人たち」のレンタルです