基本情報
公開:1953年
監督:ハワード・ホークス(他監督作品:三つ数えろ リオ・ブラボー)
脚本:チャールズ・レデラー
キャスト:マリリン・モンロー(ローレライ・リー)ジェーン・ラッセル(ドロシー・ショー) トミー・ヌーナン(ガス・エズモンド・ジュニア)
上映時間:91分
あらすじ
<以下、Amazonプライムビデオの紹介文より引用>
金髪のローレライとその親友の黒髪のドロシーはニューヨークの人気ダンサー。二人は豪華客船に乗ってパリへ。「恋よりお金」と言うローレライは乗船客の中から、ダイヤの鉱山主を誘惑してティアラを手に入れた。そのダイヤのティアラが思わぬ事件を引き起こし...
解説と感想
映画「花束みたいな恋をした」の中で就職して仕事に追われる麦(菅田将暉)が延々とパズドラをやっているシーンがありました。恋人の絹(有村架純)が「(大好きだった)ゼルダやらないの?」と聞くと「…パズドラしか出来ない」と答えます。これ、分かる方多いのではないでしょうか?ワタシも1日15時間くらい仕事をしていた頃の息抜きといえば、テトリス、パチンコ、そして古いミュージカル映画を観ることでした。共通点は何か?「無になれる」ことです。中でもストーリーが単純で美男美女が歌って踊るミュージカルは観ているだけで多幸感が湧くんですよね。DVDをかけっぱなしにしてよく寝落ちしてましたな…。「紳士は金髪がお好き」はそんな頃に出会った中でもお気に入りの一本です。解説などというのはおこがましいのですが何しろ古い作品なんでちょいと説明しつつご紹介します〜
マリリンがかわいい!70年前のPOPなラブコメミュージカル
マリリン・モンローの可愛さについては「お熱いのがお好き」の時にも散々書きましたが改めて(しつこい)。今の時代、本当にいいなあと思うのは配信で当時の映画が簡単に観られるということです。70年前の作品ですよ、だって!ワタシが子供だった1970年代〜80年代はまだビデオもあまり普及しておらず、1950年代に活躍し62年に亡くなったマリリンはまさに「伝説の人」。目にしたのはスチールか「そっくりさん」のみでした。(同年代の方なら分かりますよね?!)だから映画の中で初めて「動く本物のマリリン・モンロー」を観た時本当に衝撃で。「セクシー」「男性に媚びている」という先入観がガラガラと崩れ去りました。女性から見ても守ってあげたくなる可愛さなんですよ!まず、小鳥のようなウィスパーボイス。それから意外と小柄。(164センチ説あり)表情に媚びはなくとても素直に見えます。きゃわいい。このマリリンが黒髪で大柄という見た目対照的なジェーン・ラッセルと組み、ドタバタ騒動を繰り広げます。合間に歌あり踊りあり。え?ストーリーですか?まあどうでもいいです。と言っちゃあ失礼ですが。ゆるゆると話は進み(なんせ70年前の映画だからね)、でも最後におバカだと思われていたローレライ(マリリン)がハッとするような台詞を吐きます。驚いた義父「君はバカだと聞いていたけどそうでもないようだな」と言うと「殿方はバカな女が好きでしょ?」とピリッとした顔で言う、まあそんなお話です。
今でも共感できる名曲!
そして同作を名作にしているのはなんと言ってもマリリンが「ダイアモンドは女の親友」(Diamonds Are a Girl's Best Friend)という曲を歌うシーン。歌詞がいいですよ。要約すると「男は裏切るけどダイヤモンドは裏切らない」「どんなに歳をとってしんどくなってもハリーウィンストンの前だとアガるわ〜」みたいな。(雑ですみません)
女にはこのくらいの気合いが必要だよな、うん!と思わせてくれます。マリリンのショッキングピンクのドレスも最高!深夜ここだけ繰り返し繰り返し観てたな…。
この有名なシーンはマドンナが「マテリアルガール」のMVでパロディにしています。「マテリアルガール」の歌詞も「世の中カネやで〜」みたいな物欲まみれ系なんですが、「ダイアモンドは女の親友」と方向性が同じでもなんか違う。マリリンが歌った歌は「美しい女も歳を取ると男に捨てられる。だからダイヤモンドが頼り」という、若い美女の切実なよるべなさを感じさせるものでした。80年代にマドンナが歌った「マテリアルガール」は物質主義への皮肉なのでしょうが、皮肉が言えるほど女が強い時代になったんだな、という気がします。
流し見でも楽しめます!
さっきから失礼な紹介の仕方をしていて申し訳ないついでに言いますが、この作品ぜひ流し見でどうぞ!まじめにストーリーを追って観ると途中でダレます。マリリンの可愛さとコメディシーンの楽しさ、そして歌と踊りの楽しさを愛でて幸せな気分になるための作品です。疲れ果ててパズドラとかツムツムとかテトリスしか出来ないよ…という方におすすめ。
最近の映画ってコミュニケーションツールとして楽しむようになってますよね。わからない部分を残すことで「あれってどういう意味?!」と考察しあうまでが作品というか。ワタシもそういう映画大好きですが、本当に疲れている時には観られません。いにしえのただただ楽しい映画に救われる日もあるんですよね。
人生変わった度
★★★★
あの頃毎晩観ていたDVDは今も宝物
アマゾンプライムビデオで観られます。
吹替版もありますが、マリリンの声がかわいいのでぜひ字幕版でどぞ!
マリリンの可愛さをしつこく語った「お熱いのがお好き」。ストーリーも面白く見どころいっぱいのコメディ。こっちのマリリンの歌も良い!
テトリスとパチンコしかできなかった頃に観ていたミュージカルの一つ「雨に唄えば」。名前は知っているけど観たことない方、一度は観てくれ!雨の中で歌う姿見ると人って泣けちゃうんだぜ…。
マリリンについての書物はたくさんありますがこちら「アメリカでいちばん美しい人」は面白かったです。
マリリンを巡る文化史。