映画ごときで人生は変わらない

映画大好き中年主婦KYOROKOの感想と考察が入り混じるレビュー。うっすらネタバレあり。週1〜2回更新中!

【滝を見にいく】感想と解説/キャスティングに秘密あり!ほんわかおばちゃんズムービー


滝を見にいく [Blu-ray]

基本情報

公開:2014年

監督:沖田修一(他監督作品:南極料理人 さかなのこ)

脚本:沖田修一

キャスト:根岸遥子(ジュンジュン)安澤千草(ユーミン)荻野百合子(セッキー)桐原美枝(クワマン)川田久美子(クミ)徳納敬子(師匠)渡辺道子(スミス)黒田大輔(ツアーガイド)

上映時間:88分

あらすじ

<以下、DVD紹介文より引用>

滝ツアーに参加したおばちゃん7人が、いきなり山の中でサバイバル生活! ?

幻の滝を見にいく温泉付き紅葉ツアーに参加した7人のおばちゃんたち。現地に到着した彼女たちは、頼りないガイドと一緒に、滝を目指して山登りを始める。

木の実を摘んだり、写真を撮ったり、おしゃべりしたり、それぞれの楽しみ方で山道を進む7人。ところが、先を見に行ったガイドがいつまでたっても戻らない。

「ねぇ、遅くない?」「迷ってたりして」

気がつけばおばちゃんたちは山の中に取り残されていた!携帯は圏外。食糧もなければ寝床もない。突然のサバイバル生活に放り出されたおばちゃんたちは、果たして人生最大のピンチを乗り切れるのか?

感想と解説

沖田修一監督作品を紹介するのは「さかなのこ」についで2作目。堺雅人主演の「南極料理人」、役所広司&小栗旬の「キツツキと雨」など有名どころの役者を使った面白い作品もたくさんある中、この「滝を見にいく」は実に地味な作品です。名前のある役者もいなければ、ロケーションはほぼずっと山の中。それでもとても面白い。なによりも市井の、ごく一般的なおばちゃんたちがこんなに魅力的に観える映画をワタシは他に知りません。

主人公は「7人のおばちゃんズ」。紅葉の時期「幻の滝を見に行くバスツアー」に参加してきたOver40歳と思しき面々です。何がいいって、これくらいの年齢の女性ばかりがどーんと7人もメインになる映画ってなかなかないのですよね。しかも彼女たちはオーディションで集められ、素人さんも混じっています。「ジュンジュン」を演じる根岸遥子さんはロケ地になった妙高市の「ロケハン地域サポート人」なのだそう。根岸さんに山中を案内してもらった監督、いいなあと思い「オーディション受けません?」と言ったら、後日「ウケ狙いで」応募してくれたのだとか。

日常生活のシーンがないのにスクリーンの中からおばちゃんたちの生活臭みたいなのが漂ってくる理由は、ワークショップを重ねる中で役者本人の半生を聞き出し役柄に反映させたから。やはり、丁寧に時間をかけ人と向き合ったからこそ出来た作品なのですね…。

この作品を観た時40代だったワタシ、そんな血の通ったおばちゃんズのほぼほぼ全員にちょっとずつ感情移入してしまいました。特に中の一人が自らを曝け出して大泣きするシーンはこっちも号泣ですよ。誰が見てもほんわか温かい気分になれるんじゃないかな、という一本です。

人生変わった度

★★★★

歳をとるのもわるくない

滝を見にいく

同じ沖田監督の「さかなのこ」レビューはこちら。こちらも沖田監督らしいchillなまったりムービーですが、チクッと毒あり。それがイイ!

kyoroko.com