基本情報
公開年:2023年
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:トニー・マクナマラ
キャスト:エマ・ストーン(ベラ・バクスター)マーク・ラファロ(ダンカン・ウェダバーン)ウィレム・デフォー(ゴドウィン・バクスター)ラミー・ユセフ(マックス・マッキャンドレス)
上映時間:141分
あらすじ
<以下公式サイトより引用>
天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。
観てきましたよ〜!アカデミー賞に作品賞・主演女優賞はじめ数々ノミネートされているR18+の大作「哀れなるものたち」。いつもの田舎のイオンシネマで観客は10名ほど(少なッ!とお思いでしょうが、ここではこのくらいがデフォルトなんです)。正直先日観た同監督の「聖なる鹿殺し」が大変に面白かったんで、それと比較するとお話の面白度はちょっと劣るかな?という感じ。でも美術がうっとりするほど美しく、映画としての完成度は大変高いと思いました。美術賞は受賞するんじゃないかな〜?パンフレットを購入しなかったこともあり、軽めなざっくり感想です〜。公開始まったばかりなのでネタバレはありません。
大まかなあらすじと感想
主人公のベラ(妖怪人間と同じ名前じゃん?!)は、改造人間。橋から飛び降りた臨月の母親の胎児の脳が、その母親に移植されているという設定です。この改造人間を作ったのは自らも父親に様々に身体を改造・実験台にされたフランケンシュタインのごとき外科医・ゴットウィンです。マッドサイエンティストであるゴットウィンの屋敷には「ブタ鶏」とか「犬ヤギ」などの異形の生き物がたくさんいます。
さて「頭脳はコドモ・身体はオトナ」であるベラ、当初は言葉も話せませんが、乾いたタオルが水を吸うように物事を吸収し、やがて屋敷の外に広がる世界に興味を抱いていきます。
同作品はR18+なのですが、グロシーンはあまりありません。代わりにエッチなシーンは盛り沢山にございます。なんせベラは「頭脳はコドモ・身体はオトナ」なんですから。(賢明な大人のみなさんは想像つきますね?)そして、こういう女性は一部の男性にとても好かれます。彼女を冒険の旅に連れ出してくれる男性(マックス)もまた、彼女の「頭脳はコドモ・身体はオトナ」性に性的に惹かれてのこと。そんでベラが賢くなって本なんぞ読み始め、自分の意見を言い出すと怒り出す。女性からすると「あるある」です。
…ってな具合で、同作の大きなテーマは「女性の解放」なんですけど、正直いまいちノレないな〜と思ったのはそこでして。なんか賞狙いに行ってる感じするじゃん?「大陸横断の冒険」と言うならばそこまで内向き過ぎずもう少し外向きの冒険活劇も観たかったな、とね。それと「バービー」でも思ったんですが「女性性の解放」と対になるべき「男性性の解放」は笑い話で終わっちゃってるのも気になります。ちょっとかわいそうだったもん、マーク。
そしてはじめにも書きましたがお屋敷をはじめ、旅の途中で立ち寄るレストランや船の内装など、美術がとにかく素晴らしい!ゴシックとグロテスクが混ざったみたいな(?)。エンドロールではその素晴らしい美術をしっかりと見せてくれるんです。いくつか男女性器の暗喩のような形を見つけた以外に内容的にはどんな意味があるのかよく分かりませんでしたが、しっかり観ておきたい美しさでした。
さらにもう一つ特筆するなら音楽!不穏かつ不快感と快感の間をせめぎ合うようなノイズが素晴らしい。担当のイェルスキン・フェンドリックスはもちろんアカデミー賞にノミネートされています。「聖なる鹿殺し」も同じ方だと思うんですが、どうなんでしょ?
人生変わった度
★★
想像主に父性があったのは良かったよね!
公式サイト貼っておきます〜
同じヨルゴス・ランティモス監督の「聖なる鹿殺し」レビューはこちら。ワタシはこっちのほうが好みっす!
今作とテーマが近い「バービー」レビューはこちら。
ヨルゴス・ランティモス作品をもう一本!「ロブスター」も観たよ!めまいがするほどキテレツな物語!正直ぜんぜん咀嚼できてませんがとりあえず書いてみた!