映画ごときで人生は変わらない 

不穏映画が大好物のアラフィフ女 感想と考察が入り混じる映画レビュー。不穏度を数値化しています

【アス(Us)】感想(ネタバレあり)/説明すべき所とすべきでない所が逆なのでは?!

 

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不穏度

40(100を満点として)

ショッキングシーンはわりと良いです

基本情報

放映年:2019年

監督&脚本:ジョーダン・ピール

キャスト:ルピタ・ニョンゴ(アデレード・ウィルソン / レッド )ウィンストン・デューク(ガブリエル・“ゲイブ”・ウィルソン / アブラハム )シャハディ・ライト・ジョセフ(ゾーラ・ウィルソン / アンブラ )エヴァン・アレックス(ジェイソン・ウィルソン / プルートー )

上映時間:116分

あらすじ

<アマプラの紹介文より引用>

(前略)

アデレード(ニョンゴ)、夫のゲイブ(デューク)、二人の子供(シャハディ・ライト・ジョセフ、エヴァン・アレックス )の4人家族が夏の休暇で保養地を訪れ、そこで自分達そっくりな“ドッペルゲンガー”と出会い、悪夢のような恐ろしい経験をする。

評価

ジョーダン・ピール監督の新作「HIM」がアメリカで公開されるそうで。じゃあ未見だった今作を観てみるかあ〜ってアマプラでポチっとしたのですが…う〜ん…雰囲気はいいんですが、いかんせんお話が穴だらけで微妙…。もしジョーダン・ピールに初めて触れたのがこれだったら他の作品は観なかっただろうな。逆に言えば衝撃作の「ゲット・アウト」、めちゃくちゃ面白かった「NOPE」を先に観てて良かった!と思いました。

ってことで当ブログにしては珍しく辛口な感想は以下です。(ネタバレあり!)11の意味とかお面をかぶる息子の名前がジェイソンだとか、みんなで手を繋ぐアレはなんだ?!などなど考察したくなる要素はたくさんありますが、とっくに他のサイトで皆さんが書いているのでそこには触れません。

感想

ジョーダン監督の持ち味といえば「社会派ホラー」。黒人差別問題を一周半捻って世界中を驚かせた「ゲット・アウト」、さらに「NOPE」は「スペクタル中毒」とも言うべき現代の問題を盛り込んでいます。

「アス」の主題となるのは差別問題。アメリカ大陸に張り巡らされた地下通路には「テザート」と呼ばれるクローン人間が暮らしている。地上の人間と同じ行動をさせられる彼らですが、地上の人が美味しいディナーを食べる時には生肉を食べさせられ、彼らがふかふかのベッドで眠る時は、硬い床の上に寝かされ…と、格下の生活を強いられている。そんな彼らが地上の人々に復讐をしにやってきます。

格差問題を視覚的にホラーとして描き、漫然と暮らす私たちがいかに非可視化された人々を踏み躙って生きているかということを考えされられますね…ね…ね?って、いや、そんなことはどうでもよくなるくらい映画として面白くないんじゃああああ!

作中に様々な理解のヒントが散りばめられ、それが分かるとエンタメの裏に隠された問題提起に気が付く…。こういう作風って大好きなんですが、うまくいっていればの話。今作くらいスベッてしまうと、「当方インテリですけど皆さんが好まれるお下品なホラーも分かります、うふふ」みたいな感じが鼻についてあきまへん。

何がダメって、オープニングの10分でラストのオチが読めてしまうというところですわ。なめとんのか。

主人公のアデレードは子供の頃、遊園地の「ビックリハウス」的なところに迷い込み、鏡の部屋で自分とまるで同じ子供に出逢います。初めから見せ過ぎです。

んで、時は流れ夫と2人の子供を持つ主婦となったアデレード、再びあの遊園地のある土地にやってくる。すると一家のドッペルゲンガー(テザート)が現れて…というもの。

この時点で「アデレードはあの時入れ替わったんじゃ??」と誰もが考えると思います。「そうかもしれないし、そうでないかも知れない」程度で終わらせておけば良いのに、最後にしっかりと「アデレードは子供の時、テザートと入れ替わっています」という説明がついてしまう。もしかして監督の意図とは違うのかも知れませんが(映画会社が結末を変えろと命じる話はよく聞きますね)ラストは蛇足です。

それと、説明しすぎなわりに肝心なところが謎。アメリカ政府は何のためにデザートを作ったのでしょうか?どうして上の人と連動してんの?ここ、ワタシがどこか見逃してますかね?謎めいているのは良いですが、そっちが勝手に設定した物語の都合くらいちゃんと説明して欲しいです。

と、ほぼ悪口になってしまいましたが、それでもジョーダン・ピール監督の最新作を期待してしまうのは、なんといっても映像が良いからなんですよね。

座りのよいシンメトリーな画を多用しており、それだけでキューブリック=怖いを連想させるのも面白い。

使う役者はだいたい黒人ですが、黒人の肌を美しく撮るには白人向けとは違う照明技術が必要だそうで、ジョーダン監督の映画はその技術にも長けているようです。今作には、真っ黒な闇に溶け込む真っ黒な肌の少女が目をカッと見開いた時に白目だけが映る…なんてシーンがありました。こういうカットは彼ならではのものでしょう。

と、ここまで書いてから気づいたんですが、ジョーダン・ピール監督のアメフトの世界をホラーにした最新作「HIM」、日本公開は未定だそうで…。うーん、最近は海外でコケると日本で公開しないってことあるのよね…。とりあえず全米でヒットして日本に来てくれることを願います。

HIMのトレーラー置いておきますね!

www.youtube.com

「アス」はアマプラで観られます!正直言ってこちらより観て欲しい「ゲット・アウト」のリンクと「NOPE」のレビューも置いておきます。どちらも事前知識入れずにどうぞ!

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