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不穏映画が大好物のアラフィフ女 感想と考察が入り混じる映画レビュー。不穏度を数値化しています

【新幹線大爆破(Netflix版)】取り急ぎの感想(ネタバレなし)/1975年版との意外なつながりとは?!シンゴジ好きにもお勧め!

基本情報

公開年:2025年

監督:樋口真嗣

脚本:中川和博 大庭功睦

キャスト:草彅剛(高市和也/車掌)細田佳央太(藤井慶次/車掌)のん(松本千花/運転手)斎藤工(笠置雄一/新幹線総合指令所の総括指令長)              

上映時間:135分

あらすじ

<以下Netflixリリースより引用>

はやぶさ60号は今日も、新青森から東京へ向けて定刻どおり出発した。高市(草彅剛)はいつもと変わらぬ想いで車掌としてお客さまを迎える。そんな中、一本の緊迫した電話が入る。その内容は、はやぶさ60号に爆弾を仕掛けたというもの。新幹線の時速が100kmを下回れば、即座に爆発する……。高市は、極限の状況の中、乗客を守り、爆破を回避すべく奔走することになる。犯人が爆弾の解除料として要求して来たのは、1,000億円! 爆発だけでなく、さまざまな窮地と混乱に直面することになる乗務員と乗客たち。鉄道人たち、政府と警察、さらに国民も巻き込み、ギリギリの攻防戦が繰り広げられていく。極限の状況下でぶつかり合う思惑と正義、職業人としての矜持と人間としての本能。はやぶさ60号は、そして日本は、この危機を乗り越えることができるのか!?

https://about.netflix.com/ja/news/bullet-train-explosion-trailer

評価

ひゃっは〜!!観ましたよ!1975年版に続き、Netflixリブート版の「新幹線大爆破」。まさに「ノンストップサスペンスアクション」というキャッチコピーに相応しく、手に汗握る楽しい作品でした!!冒頭からスピード感あふれる展開で、最後のほうまで飽きる時間帯がない(最後ちょっとダレたけど)のはすごい。樋口真嗣監督とあって、シン・ゴジラを彷彿とさせるシーンもあり大興奮!

…とはいえ、手放しで良いと言えない微妙な点もありまして…。

以下、そのへんを含めつつ、最近観たばかりの75年版と比較しつつ、取り急ぎの感想です〜(サスペンス仕立てになっているのでネタバレなしです!)

感想

多くの方が期待する通り、シン・ゴジラに似ています。災害(今回の場合は人災)に立ち向かう公僕の美しさを描いている。JR東日本の社員を公僕とは言わんかもですが、まあかなり近いよね。パニックになる大衆に対し彼らは冷静。私情を押し殺し、苦しくても持ち場を離れることは決してありません。そして苦悩の中ギリギリの判断を迫られる。

映画のヒーローといえば「反体制の一匹狼」だった80〜90年代のアクションものを見慣れた者からしたら2016年のシン・ゴジラはとても「新しく」見えました。今作もその流れを汲んでいます。

さて、1975年版を観てもっとも気にしていたのは「リブート版では犯人側の人間ドラマは描かれるのか?」ということ。なぜなら高倉健らが演じる犯人側を描いたそのパートこそが、75年版を単なるパニックムービーではない名作にしていたからです。

そもそもの大きな違いは、75年版は爆弾犯が最初から出てくるのに対し、Netflix版では途中まで犯人が分かりません。ミステリーになっています。

なので犯人の背景が描かれるのは最後のほう。バタバタっと出てきて終わりですが、なかなかインパクトがあります。

というのも犯人の動機が75年版と繋がっているからなんですよ!

このリブート版の世界では75年版の映画で描かれた新幹線爆破事件は現実に起きたという設定です。レビューでも書きましたが、フィクションにしたってやり過ぎなんじゃ?と思うほど酷く警察の失態が描かれているのが75年版。リブート版では警察側の様子はほぼ描かれませんが、組織がやらかした遠い過去の過ちが因果となって再び事件を引き起こす…みたいな展開。へえ〜そう来たか!人間ドラマというほど掘り下げられてはいませんが、凝ってます。面白い!ちょっと無理矢理だけど!

とにかくスピーディーな展開と、元ネタも見たくなるひねりのある脚本は面白かったです。あと見どころは何と言っても新幹線(はやぶさ60号)そのものです。傷だらけで走り続ける新幹線を見て泣く日が来るとは思わなかったよ…。ワタシにも鉄分あったのね…。

んで逆に微妙だな…と思った点。

草彅剛はいい時と悪い時がきっぱり分かれる役者だなあと思っていましたが(素直な方なのだと思います)、正直今回はあまり良くないと思いました。撮影上の制約も多かったからのなのかもしれませんが、感情が繋がっているように見えないんですよね〜。

…と、下げてしまいしたが彼が演じるキャラクター、車掌の高市さんはとても良いです。なんか「言っちゃえば楽になりそうなこと」を言わないんですよ。「命に替えてでも乗客の皆さんを守ります!」とかさ、こういう映画の車掌って言いかねないですよね。それを言わない。すごく良いし、彼を起用した意味も分かります。

あと全体的に、なんと言ったらいいのか…

カメラ回す時って、例えば役者が歩いているシーンだと「よーい、スタート!」で立ち位置から歩き始めるじゃないですか?でも観客にはその前からずっと歩いているように見える、っていうのがフツーですよね?

ところがこの作品、「スタート!」の声と共に歩きはじめたように見える。そういうカット頭が多いように思いました。前のカットとのつながりの問題でしょうかね?よく分かりませんが…。

そんなこんなで気になる箇所もありましたが、全体的にはご家族で楽しめる良い作品だと思います〜!

そうそう、森達也監督に見える人が出てきますが、それは森達也監督です!

公式トレーラー貼っておきますね〜!

www.youtube.com

それとネットフリックスでは元ネタの1975年版も観られます(25/4/25現在)こちらのレビューも置いておきますね!

kyoroko.com