不穏度
60(100を満点として)
半径15m以内全員即死
基本情報
公開年:2018年
監督&脚本:キャロライン・ラブレシュ スティーブ・レナード
キャスト:ディエゴ・クラテンホフ(リアム) シャーロット・サヴァリン(ジェーン)
上映時間:93分
あらすじ
<以下アマプラ紹介文から引用>
交通事故を起こし記憶を失くしたまま目覚めたリアム。助けを求め近くの町に入るが目にするのは住民の死体ばかり。謎のウイルスか何かが大気中に広がっているのではと疑い不安になる。ようやく生存者を見つけたものの近寄ろうとした途端、突如目の前で死んでしまう。何が起きたかわからないまま、リアムに近寄ったことで続々と増える死者。分かったことはリアムの半径15メートル以内に近寄った者は皆死んでしまうということ。誰の助けも借りられず困惑するリアム。 しかし、半径15メートル以内でも死なずにいる女性ジェーンと出会い、同じく記憶喪失の彼女と共にこの謎を解き明かそうとするが…
評価
うわあ〜!面白かった!2018年公開のSFですが、今まで全く知りませんでした。たまたまアマプラを漁っていて「半径15m以内全員即死」という実にラディカルなキャッチコピーに魅せられて観てみたらコレが大当たり!これだから配信は面白い。
事前情報ほとんどなしで観たほうが面白いと思うので、どうにかかんばってネタバレなしで感想を書いてみます〜。
感想
ネタバレなしと言っても、どこでも公開されている上の「あらすじ」でストーリーの1/3くらいは語られています。ワタシは本当にキャッチコピーの「半径15m以内全員即死」しか知らなかったので、その殺人兵器が主人公リアム自身だと分かるまでも楽しめて、冒頭からとても面白かったです。ちなみにタイトルの「ラディウス」とは「半径」という意味。(r)で半径を意味するらしい。
何しろこの作品、話題にならなかったせいか情報が少ない。カナダ製作だそうですが、すごい脚本を書いたキャロライン・ラブレシュとスティーブ・レナードについても、演技が素晴らしかった主演2人に関してもネット上にはほぼ情報はありません。みなさんハリウッドから声がかかってもいいと思うんですけど…。
さて、ネタバレなしで書くのが難しいというのは、この作品の「面白さ」はほぼ「ストーリー」だからです。映像的には特筆すべきところはありません。割と雑に人や動物が死んでくし。シャマランだったらもう少し溜めを作って不穏感煽るだろうなあ…と残念に思うシーンも。
それでも目が離せないのは話の展開の巧みさ。交通事故で記憶を失ったリアムは自分のそばに来る生き物が死んでいくことに気がつく。そこに現れるジェーンという女。なぜか彼女は死なない。そしてジェーンは事故の際、車に同乗していたという。彼女もまた記憶を失っていた…。
そこから2人はなぜ事故にあったのか?その前は何をしていたのか?さらにはその“事故”で何があったのか?!を探る旅に出ます。フラッシュバックで記憶の断片を思い出しながら。
ここから先はぜひ観て欲しいのですが、正直後味はあまり良くないです。そして意外にも色々なことを考えさせられる。お話を転がすためだけに人物を動かしているわけではないということです。リアムと同じ立場になったらどうするんだろう?、とか、登場人物それぞれに共感できたり。
もう少し心情にクローズアップするような演出があればもっと深みのある映画になったのかも知れませんが、純粋に「ハナシが面白い」と思える映画、嫌いじゃありません。
93分という短い映画なので気になった方はぜひ!
(r)adius(ラディウス)はアマプラで観られます。
この作品が気に入った方にはこちらもおすすめ。「パラレル 多次元世界」。レビューはがっつりネタバレ&考察になってます。