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【プロジェクト・ヘイル・メアリー】感想(ネタバレなし)/地球を救うのは「愛」ではなかった?!

基本情報

公開年:2026年

監督:フィル・ロード&クリス・ミラー                      脚本:ドリュー・ゴダード
キャスト:ライアン・ゴズリング(グレース) ザンドラ・ヒュラー(ストラット)

上映時間:156分

あらすじ

<以下、公式サイトより引用>

未知の原因によって太陽エネルギーが奪われ、数十年後に地球は氷河期に突入する。原因解明に向けて宇宙に送り込まれたグレースは、科学の知識だけを武器に80億人の命をかけた人類最後の賭けに挑むが、この危機を救おうとする小さな相棒と出会い、共に愛する故郷を救うため宇宙の超難題に挑む。

評価

面白かったし、素直に感動して泣けました!良い映画でした!

初日の朝一番の回、いつもガラガラの郊外のイオンシネマが、珍しく埋まっていました。そして途中で鼻をすする音があちこちから。

「片道切符のムチャな計画で地球と全人類を救うために宇宙に乗り出す門外漢」というプロットは1998年の「アルマゲドン」と同じですが、2026年はこんな物語になるのですね〜。ワタシはこっちの方が好きだし共感も出来ました。

では以下、ネタバレ無しの感想です。

感想

原作は「火星の人」(邦画名は「オデッセイ」)のアンディ・ウィアー。ブログで書いたSF小説が話題となり、キンドルの最低価格で売り出したところ世界的ベストセラーになってデビューした作家です。今作「プロジェクト・ヘイル・メアリー」も世界中で売れており、本屋さんで見かけるたびに読みたいなあと思っていた一冊です。SF小説が苦手で最後まで読みきれないことが多いので断念していたので映画化は嬉しいというより「ありがたい」って感じ。

冒頭はグレース(ライアン・ゴスリング)が宇宙船の中で一人目覚める場面。原作も同じらしいのですが、構成が非常に良く出来ています。

突然宇宙空間に放り出された観客(読者)は、グレースはどんな経歴の人なのか?なぜ宇宙にいるのか?を彼の回想で知っていきます。

そして最後に重要なことを思い出し、その記憶が大きな決断を後押しする…という流れ。ミステリー的でもあるのですね。

とにかくグレースのキャラクターが良い。新進気鋭の生物学者だったもののキレやすい性格のため学会を追われ、今はしがない中学教師。そんな性格なので家族もいません。もちろんヒロイズムもありませんが、「このままでは人類の1/4が死ぬ」と聞かされれば動揺する、ごく普通の人です。

28年前の「アルマゲドン」も宇宙に行くのは宇宙飛行士ではなく石油採掘者たち。危険な任務に挑む彼らの原動力は、「愛」でした。家族のため、人々のために命をかける。

一方、グレースが勇敢な振る舞いをするのは愛ゆえでなく、知的好奇心が強いためです。知らないことは分かるようになりたい、目の前に未知の相手がいれば話をしてみたい、自分の仮説は立証したい。

「知りたい」「理解したい」というこの個人的な欲求が地球を救う行動につながるのです。「火星の人」でマット・ディモンが演じた人もこんな感じでしたよね。ただただやってみたいから色々試してみたら火星で生き延びられちゃった、みたいな。

そして彼が愛とは無縁な孤独な人間であることもポイント。その人間が宇宙の彼方で自分と同じような魂を持った命と出会う。まさに「万有引力とは引き合う孤独の力」なのです。ソウルメイトは人間同士とは限らないからね。実に現代的だし、実にイイです!

泣きどころはいくつかありますが、最後のほうビートルズの歌が流れる箇所に号泣。あれ、原作ではどうなってるのかなあ…。歌詞もちゃんと字幕が出るので各自噛み締めて下さい。その歌詞でその決断になるんですね…ってなりますよ!

ネタバレはなるべくしない方が良いのでこのくらいにしておきます。ご家族で観られる作品なのでぜひ劇場へどうぞ!映画好きとしてはこういう洋画にお客さんがたくさん入ってくれると嬉しいなあと思います。156分という長尺ですが飽きずに観られます。

ワタシは吹き替えで観ましたが、中学教師のグレースを宇宙に放り込む冷血女上司ストラットの声が三石琴乃さん。「乗りなさい、シンジ君」ならぬ「行きなさい、グレース君」。エヴァのミサトさんそのまんまです!こちらもとても良かったのでお好きな方はぜひ吹き替えで!

公式サイト貼っておきますね!

projecthm.movie

原作本はこちらから。上下2冊本です。各界からの絶賛の声がヤバい!

ついでにアマプラで観られる「オデッセイ」も貼っておきます。火星に一人、取り残された乗務員。サバイバルものなんですが、なんとジャガイモを栽培したりして生き延びる。死への恐怖より日々の創意工夫の楽しさのほうが優っているところに、人間の素晴らしさを感じます。リドリー・スコットですが、リドリー・スコットっぽくないところもまた良い!

オデッセイ(字幕版)

オデッセイ(字幕版)

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