大辞林によれば【不穏】とは「おだやかでないこと。状況が不安定で危機や危険をはらんでいること。またそのさま。」映画においてはホラーやスリラーなどのジャンルに関わらないと思います。「理由がわからない不安感」がスクリーンの中に渦巻いている状態が「不穏」かと。
「不穏度」を100を満点とした点数で表しています。あくまで主観です。「恐怖度」とは違います。「胸糞度」とも違います。
まだ観ぬ不穏映画、観たけれどレビューを書いていない不穏映画も多数あるので暫定ですが、ここまでで100点をつけた4作品レビューをまとめています。
【CURE】90年代Jスリラーの大傑作
一人の記憶喪失の男から放たれた、取り返しのつかない何か。それは少しつづ、しかし確実に人間を、世界を変えていく…。癒しとは本来こういうものかも知れません。
どんよりした冬の空、響き続ける低音、イラ立つ刑事、理由のない殺人。あまりに全てが美しく不穏。
【Chime】「三大恐怖」が揃い踏み!
「CURE」好きな方にはこちらもおすすめ。同じ黒沢清監督の45分映画。映ってはいけないものが映っている気がしてならない。「殺されること」「殺すこと」「幽霊」という監督が考える「三大恐怖」を詰め込んだとのことですが、それでも恐怖映画ではなく不穏映画になっているところがさすがというかなんというか。
【聖なる鹿殺し】ギリシャ神話と同じくらい不条理
ギリシャが産んだ天才ヨルゴス・ランティモス監督作品。エリート外科医が可愛がっている少年の正体は…?!幸せな一家を不幸のどん底に叩き落とす容赦のなさがたまらない!まったく説明のないところが怖いです
【カウンセラー】「ネオJホラー」を代表する一本
おそらく観られるチャンスが少ない作品だと思うので、出会えたら迷わず観て!42分の短編ですが、その間ずっと緊張感が続きます。疲れます。どうしてくれるんだ!
監督・脚本の酒井善三氏は2025年現在盛り上がっている「ネオJホラー」ブームの旗手になると思います。