どうにもこうにも黒沢清作品レビューが増えてきたのでとうとうタグ「黒沢清」を作ることに。クリックするとこれまでのキヨシ作品レビューが出てきます。
2026年4月21日時点で12作品。ダントツで多いな。
その中からとくにワタシが偏愛してやまない4作品をまとめてみました。
黒沢清作品にハマった理由
さて、まず黒沢清とはそもそもどういう映画監督なのかをざっくり。以下はGeminiに出してもらったプロフィールです。
1955年7月19日生まれ。神戸出身。立教大学在学中から映画制作を始め、1983年にピンク映画『神田川淫乱戦争』で商業監督デビュー。1997年の『CURE』で世界的な脚光を浴びる。その後も『トウキョウソナタ』や『スパイの妻』などで、カンヌやヴェネツィアといった国際映画祭の主要賞を次々と獲得。ジャンル映画の枠を借りながらも、人間の孤独や社会の崩壊を鋭く突く作家性は、特にフランスをはじめ海外で極めて高い評価を得ている。
もともと熱狂的ファンかといえば実はそうでもなく…。
それまで大好きな「CURE」を含め何本かは観ていましたが、ことさら意識してはいませんでした。ホラー寄りでアートっぽい映画つくる人ですよね〜…ってなくらい。
興味を持ったのは、終演後立ち上がれないほど感動した映画「ハッピー・アワー」の濱口竜介監督が敬愛する師匠だと知ったから。
それでインタビュー記事を読むようになり、妙なことに気づいたのです。
上記にも「ジャンル映画の枠を借りながら」とありますが、ハリウッド大作的ないわゆる「ベタな映画」がお好きで、そこを目指しているらしい。
それなのにどうしてあんなに訳分からん映画になってしまうのか…?
この「どうして…?」の答えを追い求めるうちに、レビュー記事が溜まっていったのですよ。
初めから規制のないところで自由にやるよりも、枠組みの中できっちり収めようとした方が、はみ出した部分が個性として光ってくる。その典型的な例ではありますが、黒沢清監督の場合、個性がガビガビに光りすぎ、逆光で元の形が見えない…!!ってのが面白くてたまらんのです。
レビュー記事を書いた12作品は劇場&アマプラで鑑賞したもの。
他、「スパイの妻」「クリーピー 偽りの隣人」「LOFT ロフト」あたりも観ていますが、書いていません。正直あんまり覚えていないってのが理由。
未見の作品も多々あります。有名どころだと「トウキョウソナタ」、「岸辺の旅」観ていません。単に今は食指が動かないだけです。いずれ観ようと思っている作品もあるし、レビューも増えるでしょう。
そんなわけで、以下あくまで暫定の偏愛黒沢清作品ベスト4です。
1. CURE(1997年)
今まで観た全ての映画の中でベスト3に入ります。好きすぎて2度書いています。たぶんあと2回くらい書けます。というかこの映画の魅力を語りたくて映画レビューブログを始めたようなものです。
記憶喪失の催眠術師(萩原聖人)が出会う人を次々と暗示にかけて殺人を犯させる。それを追う刑事(役所広司)もまた深淵へとハマっていく…
というやべえ話なのですが、あらすじで伝えられるものではありません。
冒頭の強風吹き荒ぶ海岸の場面からラスト、ファミレス店員のあっと驚く行動まで、完璧に狂っています。観て下さい。
2.蛇の道(1998年版)
本格的にキヨシにハマるきっかけとなった一本。脚本が「リング」の高橋洋氏とあって面白怖い。幼い娘を殺された男(香川照之)と彼に手を貸す謎の男(哀川翔)が繰り広げる復讐劇。胸糞悪映画でもあります。
当時人気だったVシネマとして作られた極道もの。
前述の話と被るのですが、ヤクザ映画というジャンルなのになんでこんなにはみ出してしまうんだろう?発注した側はこれで納得したんだろうか?ヤクザ映画だと思ってレンタルビデオ屋で借りた人はどんな気持ちになったのかしら?
とハテナがたくさん浮かんでしまいます。
大好きなCUREと同じ1997年に作られたと知り驚愕しましたよ。人生の中にはそれまでの経験と才能と運がピタッと重なる奇跡のような時期ってあるよなあ。
2024年にセルフリメイク作品が作られていますが、ワタシはこちらのほうが好き。
3.カリスマ(1999年)
訳分からんさが爆発。そこがイイ。
「カリスマ」と呼ばれる一本の木を巡る攻防の物語です。
カリスマは根から毒素を出し他の木を枯らしてしまう。守ろうとする者、伐採しようとする者らが対立。こう書くと立派な木を想像しますが、「カリスマ」は実に貧弱で今にも枯れそうな木ってところが良い。
深読みしようとすればいくらでもできるけどそんなことはどうでもよくて、なんじゃこれ意味わからんわ〜、と楽しむ一本だと思います。ラストが痺れる!役所広司主演。
4. Chime(2024年)
監督が考える「三大怖い事」、つまり「殺すこと・殺されること・幽霊」が全部入っているお得セット!線路沿いにある料理教室というあまりにありふれた場所から始まる狂気。淡々と、じわじわと非日常が日常を侵食していくという描写の、ある意味到達点ともいえそうな一本です。
殺人というとんでもない悪事をしておいて、しかし真面目にキチンと死体の処分をする…というモチーフは同年公開の「Cloud」にも通じるものがある。
ビジュアルイメージに使われている橋が割と近所なのでなんか嬉しい…という個人的な思い入れもあったりします。
アマプラでは観られません。鑑賞方法はレビューを読んで下さい。
「分かりやすいこと」や「正解・不正解の線引きがされていること」が良しとされているテレビ業界に25年あまり身を投じてきましたが、その感覚にずっと違和感を持っていました。だからこそ黒沢監督作品の「曖昧さ」「不確定さ」に魅力を感じるのです。そしてそれを大切にすることは人としての誠実さにも思えます。
そもそも人間って曖昧でテキトーなもんなのですから。
以上、暫定なのでまた増えるかもです!


