【極悪女王】取り急ぎの評価と感想/3話まで辿り着ければ俄然面白い!

評価

「地面師たち」を観てすぐ解約したNetflixにまた入会しました。「極悪女王」を観るためです(しかし好きだね〜ワタシも)

評価としては、面白いけど「地面師たち」や「サンクチュアリ」ほどではないな、という感じ。海外でよりウケるのでは?!と思いました。

「極悪女王」は80年代の女子プロレス(全女)の世界を、ダンプ松本を中心に描いた少女たちの青春モノ。

全5話をざっくり紹介すると

第1話…のちにダンプ松本となる少女松本香の悲惨な少女時代。お父ちゃんひどすぎ 62分

第2話…憧れの全日本女子プロレスに入門!でもここでもやっぱり落ちこぼれ… 63分

第3話…覚醒!引っ込み思案の少女が極悪女王に! 75分

第4話…親友の長与千種が宿敵に!クラッシュギャルズVS極悪同盟抗争本格化! 60分

第5話…伝説の髪切りデスマッチからの引退へ 82分

ざっくり言うと1、2話はあまり面白くありません。ここで止めようかなと思いましたもん。でも3、4話はすごく面白い!そして5話で疲れて終わり。

ですんで1話観てうーん、どうしようかな〜?くらいの方は2話まで我慢してぜひ続けて下さい。1話つまんなかった!と思う方は2話もツライのでやめていいと思います。

さて、ではどうして1、2話が微妙で3、4話で突然面白くなったのか?以下感想です〜。

注:それと、セクハラや恋愛要素が入ってきたらキツいなと思いましたが、その手の性描写は一切ありません。血みどろの流血試合シーンは盛りだくさんなのでNetflixのレーティングでは16+になっています。

感想

1、2話が微妙だなと思ったのはひとえに松本香を演じるゆりあんレトリィバァの拙さです。演技の幅が狭いというか。それとこの方、尖ったお笑いをやっているイメージが強い(吉本の闇営業問題という深刻な話題でワイドショーが突撃した際にギャグをかましたヤツが印象的)。そのせいか、何のお笑い要素のないシーンでも「何かやらかすんじゃないか」という変な期待と恐怖心を持ってしまう。もちろんストーリーを追うドラマだし、松本香の少女時代は悲劇の物語なのでギャグは出ません。するとなんだかこっちはスカされた気分になってしまうんですよね。それが続くのが1〜2話なのです。

んで、松本香がダンプ松本になる3話以降突然面白くなる。ゆりあんは市井の人を演じることはできなくても極端なキャラクターは得意なようで、まるで役者が変わったように生き生きとしはじめます。ゆりあんの演技プランは【ゆりあん→松本香→ダンプ松本】ではなく、【ゆりあん→ダンプ松本、ときどき松本香】に見えます。これが面白い。完全なコメディです。ほんと笑えます。

おそらく本業の役者ならやらないであろう【ゆりあん→ダンプ松本】に突然憑依する感じがプロレスで言うギミックに重なるんですよね。映像で表現されるダブルミーイングという意味でもとても面白いと思いました。

んで5話は流石に1話で2試合観るのはキツいなってことで疲れて終わり。

皆さん絶賛の役者陣ですが、ワタシは男性俳優が皆いいなと思いました。松永ブラザーズを演じた村上淳、黒田大輔、斎藤工。阿部四郎役の音尾琢真さんもサイコーです。

クラッシュギャルズを演じた2人も増量して身体を鍛えたそうですが、当時の彼女たちが記憶にある身としては「身体うっす!」と思ってしまいました。ギャルズ2人とも分厚かったもの、身体。

この手のドラマを撮影する際って、「役者にその職業の修行をさせ、完全になり切らせる」がパターンA 、「その職業の人をキャスティングして演技を教える」がパターンBだとすると、同作はもちろんパターンAです。

”いろいろあった“唐田えりかさんと剛力彩芽さんを重要なプロレスラー役に起用したことに意味がある。これも企画の一部でしょう。本物のレスラーと比べたら身体が薄いのは仕方ない。そのうち、2人が奮闘する姿を追ったメイキングドキュメントも配信されそうです(勝手な想像です)。

個人的にジャガー横田さん役の方は良いなと思いました。あの頃のジャガーさんってエキゾチックで神秘的だったよね(もちろん今も素敵ですが)。そのクールさとミステリアスさが再現されてるなあと。

思いつくままに書いてきましたが、全体的には企画の良さ、プロットの良さを上回るほどの出来ではない気がします。鈴木おさむさんが「企画書の冒頭に『髪切りデスマッチ』の写真を載せたら(おそらくそれが功を奏して)トントン拍子で企画が通った」みたいなことを呟いていました。

この企画書段階で関係者が想像した頭の中の映像が本作の頂点だったのではないかと。

それとクラッシュギャルズと極悪同盟が活躍していた当時中学生だったワタシがまさにそうですが、「その試合観たっけな?!」とか「全女って実のところどんな組織だったんだろう?」「あの選手、元気かな?」とか完全にノンフィクションのほうに強く興味を持ってしまいwiki漁りまくりになりまして。そりゃフィクションよりノンフィクションのほうが強いのは当然ですが、もう少しこの作品自体について考えたいものよね、なんて思いました。

取り急ぎ、まとまってなくてすんません!

Netflixのおすすめドラマレビュー貼っておきます!「サンクチュアリ」は書いていませんが超面白いです!

kyoroko.com

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