高性能ヘッドフォンで鑑賞してみた!
貧乏ということもありますが、50歳を過ぎて物欲が極端に減ったため無駄な買い物はしないたちです。
そんな中でも買って良かった!と心から思えた2025年のベストバイはソニーの「WH-1000XM5」というヘッドフォン。
周囲の騒音を極限まで低減するノイズキャンセリング性能は数あるヘッドフォンの中でも最高クラスと言われおり、とにかく没入感が半端ない!
目的は主にギターの練習のためだったのですがもう一つ、購入したらぜひやってみたいことがあったのよ。
それは愛してやまない傑作「CURE」をこの高性能ヘッドフォンで聴くこと。
何でかって?
前回観た際、音によって観客を催眠にかけようとしているのでは?という疑惑が湧いて、以来この考えが頭から離れなくなったんですよ!!
※前回のレビューをどうぞ!基本情報・あらすじもこちらから。
今回高性能ヘッドフォン鑑賞をしてみたらその疑惑は確信に変わりました。なんということでしょう…!観るだけで催眠にかかってしまう恐ろしい映画がこの世にあるなんて…。かかりやすい人は気をつけて下さいね、登場人物たちのように殺人を犯しかねませんから…。
では以下、音のみに着目した「CURE」のレビューです。観ていない人には何のこっちゃか分からないと思います、すみません!
終末の音が途絶える時
アポカリプティックサウンド=「終末の音」。ヨハネの黙示録に由来し世界の終わりに天使が吹くラッパ音とされていますが、オカルト界隈ではどこからともなく聞こえてくる正体不明の音に対して名付けるようです。
「CURE」の全編を覆うのはまさにこの「終末の音」。
と言っても使われているのは風や波の音、走る車が作る都会のざわめき、踏切のカンカンカン、さらにはキッチンで何かを煮る時のグツグツといったありふれた音です。
中でも最も印象的なのは、やはり洗濯機のゴーゴゴゴーという音でしょう。
高部刑事(役所広司)の妻は精神に問題を抱えており、空の洗濯機をいつも回しているのです。暗い家の中に洗濯機の音だけが響く。この音が怖い。なぜなら洗濯機を回すのって通常は朝なのに、場面は夜だから。これだけですごい違和感があるんですよ。
こういったほんの少しの違和感や、音と音との重なりで日常の音がまるで終末の音に聞こえる。
いや〜洗濯機の音が怖い映画なんて他になくないですか?!すごい。
こんな感じで劇伴らしい劇伴はほとんどなく、代わりに全編日常音が響いているのですが、2箇所だけ音をシャットアウトしているシーンがあるのに気がつきました。自分が確認できたのが2箇所ってだけで実際は分からないですけど。
1箇所目は記憶喪失の催眠術師・間宮(萩原聖人)が女医(洞口依子)に催眠をかけるシーン。「喉が渇いた」と間宮はコップに水を注ぎます。細い蛇口から出る水がジョボジョボジョボ…とやけに響く。間宮はそのコップをわざと倒す。水が灰色の床にゆっくりと広がるその数秒間、ピタッと音が止まります。
もう1箇所はクライマックスの木造廃墟で高部が蓄音機を回すシーン。水たまりの中をじゃぶじゃぶと音を立てて歩いた高部は一旦丸椅子に座る。そして目の前の蓄音機を鳴らすまでの数秒間がこれまた無音。
どちらも完全な無音になる直前に水の音が響いています。どういう意味なんでしょうね?1つ目の無音が女医が催眠にかかる前とすると、2度目の静寂は、ここで高部は完全に催眠にかかるという合図なのでしょうか…?正直どう解釈して良いのか分かりませんが、なんか謎の法則がありそうで怖いです…
催眠効果を狙った音効はあのシーンだけじゃなかった!
前回のレビューに
「中盤あたりに出てくる捜査会議のシーンに、雨が降っているという説明もないのにトントントントントンという雨だれのような音が入っている」
と書きました。
今回高性能ヘッドフォンで聴いたところ、どうも雨垂れ音じゃなさそう。もっと人工的な機械的な音です。さらにそのトントントンという低めの音に高音のギーギーした音も混ざっています。しかもだんだんピッチが早くなる。
さらに初めて気がついたのですが、同僚を撃った巡査(でんでん)の取り調べシーンにも似たような音が入っていました。こちらはドッドッドという心臓音に近い音ですが、やはり機械音に聞こえるし、時折高いノイズが入ってきます。
何にしても、トランス状態になるような一定のリズムが、一回観ただけでは気づかないくらいの薄さで入っているんですよ。…やっぱり密かに観客を催眠にかけようとしているとしか思えません…。
実際、間宮は金属に椅子を一定のリズムで打ちつけて閉鎖病棟に響かせ、その場にいる全員を催眠状態にして脱走するし。
怖えよ。
でも一番怖いのは観終わってヘッドフォンを外した時だったんですよね。その時初めて気がつくのです。CUREの陰鬱世界に没入していたことに。
それまで気にしてもいなかったエアコンのザーっという音が急に怖くなる。時計の秒針の音なんて吸い込まれそうな恐怖。
観る前と後では日常がガラリと変わります。
このブログ、タイトルは「映画ごときで人生は変わらない」ですが、もし一本だけ人生を変える映画があるとしたら、間違いなくこの作品だと思っています。もしかしたら初めてこの作品を観たその日からずっと「かかりっぱなし」なのかも知れません。ひええ〜
今回は音以外にも新たな発見があったのですが、長くなりそうなので、また今度。
「CURE」はアマプラで観られます。
アマゾンプライムは30日間無料体験できます。ここから申し込みに飛べます〜。
ソニーのヘッドフォン「WH-1000XM5」は比較サイトで吟味した末に買いました。2025年にWH-1000XM6という最新モデルが出ているのでいわば型落ちですが、自分史上最高ヘッドフォンです!


