基本情報
公開年：1990年
監督：デイヴィッド・リンチ
脚本：マーク・フロスト デイヴィッド・リンチ
キャスト：カイル・マクラクラン（クーパー捜査官）シェリル・リー（ローラ・パーマー）ララ・フリン・ボイル（ドナ）ジェームズ・マーシャル（ジェームズ・ハーリー）
シェリリン・フェン（オードリー・ホーン）
上映時間：ファーストシーズンは全８話
あらすじ
ツインピークスというアメリカの架空の田舎町。そののどかな町で殺人事件が起きる。美人で人気者だった女子高校生ローラ・パーマーが遺体で発見されたのだ。FBI捜査官のデイル・クーパーと保安官のハリー・トルーマンによって、町に秘められた秘密が明らかにされていく
不穏度
70（100を満点として）
ディビッド・リンチがやりたい放題
感想
90年代初頭の画期的テレビシリーズ
1990年〜91年にアメリカABCで放映され、瞬く間に世界中で話題となったテレビシリーズです。女子高生ローラ・パーマーの遺体のビジュアルは「世界で一番美しい死体」と話題になりました。日本では91年にWOWWOWで放映、92年にはTBS（地上波）でも放映。ワタシも大学生だった頃ですからズブズブにハマってていいはずなんですが、今回が初見。当時バイト先のお姉さんに「すっごく面白いよ！」と熱弁されたんで「へえ〜。そのうち見よう…」と思いつつ30年以上経ってしまいました…。
感想はというと、34年前という古さは感じつつ、一周回って今の時代に合っていると思うし、面白かった！ディビッド・リンチ的禍々しさと日常の裂け目のような違和感も存分にあります。
すでに世界的映画監督だったディビット・リンチを起用、その作家性を発揮させつつ、連続テレビシリーズとしての面白さも追求する…。今でこそ珍しくありませんが、当時は画期的だったと思います。
ちょっとややこしいのがシーズン１は「序章」がまずあり、その後１〜7話が続く。つまり全部で８話です。序章だけ93分と長く、残りは皆47分程度。序章を観て続きを観たければどうぞ、という感じでしょうか。
良かった点と微妙な点
まず初めに湖に打ち上げられた遺体が見つかる。それはツインピークスの人気者、女子高生のローラ。町中が悲嘆にくれる中、FBIからクーパー捜査官が派遣されてやってくる。この物語唯一の「よそもの」です。出来る男のクーパー、男性保安官と女性事務員を見るなり「いつから付き合ってるの？」と言う。２人の所作や目線で「特別な関係だ」と察知する洞察力に優れています。と言っても冷たいエリートではありません。田舎町の保安官と対等に接し、チェリーパイやドーナツが大好きで、ちょっと変わった可愛らしい男性。なんと言っても中心に据えたこのキャラクターが同作の人気に貢献しているのは明らかです。演じるカイル・マクラクランも２枚目だし。
そんで、もう次々といろんな町民が出てきます。カメラはクーパーの目線を離れ、町人同志の密会現場も映す。つまり、主人公のクーパーが知り得ないことを視聴者は知るわけです。
でも面白いのは、クーパーもそれらの大部分を（全部ではないですが）知ってるってことでお話が進む点。前述のようにクーパーは洞察力に優れているからという理由もありますが、なんと彼、超能力捜査官でもあるんですよ。捜査の手がかりを夢で見るんです。彼の特殊能力については３話で突如明かされるんですが、「洞察力がすごい」という前振りがあるせいか、あまり違和感がない。突然「実は超能力があって」と言われると普通は「はあ？」ってなるんですけどね。とても上手だと思います。
逆に違和感といえば、やたら綺麗な女の子がたくさんいること。あんな美人がこんな田舎に留まるかしら…？
それと、不倫関係もやたら多い。ストーリーが「ひとつの殺人事件から町の秘密が暴かれる」というものですから「秘密」といえば「えっ？あの人とあの人がくっついてたの？！」というのが一番手っ取り早いとは思いますが、多用しすぎ。
とはいえ、最近のドラマのように「都合が悪くなったらどんどん殺す（ドラマから退場させる）」ことがないのも良いし、古さゆえのノンビリ感がチルな雰囲気も醸し出し、今の時代に合っていると思います。
音楽の世界では80年代の日本のシティポップが突如世界的ブームになったりしましたが、配信をきっかけにこういうのんびりした良い映像作品がまたブームになったらいいなあ、なんて思いました。
さて、シーズン１、ラストにとんでもないことが起きましたが、シーズン２は22話もあるんだよな〜。しかも最後まで見ても犯人分かんなそうな気がする。2017年の続きもあるしさあ…。見ようかなあどうしようかなあ…。
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