映画ごときで人生は変わらない

映画大好き中年主婦KYOROKOの感想と考察が入り混じるレビュー。うっすらネタバレあり。週1〜2回更新中!

【シン・仮面ライダー】非オタクのライトな感想/キャスティングの勝利!

基本情報

公開:2023年

監督:庵野秀明

脚本:庵野秀明

キャスト:池松壮亮(本郷猛=仮面ライダー1号)浜辺美波(緑川ルリ子)柄本佑(一文字隼人=仮面ライダー2号)

上映時間:121分

あらすじ

<以下公式サイトより>

望まぬ力を背負わされ、人でなくなった男。与えられた幸福論に、疑問を抱いた女。

SHOCKERの手によって高い殺傷能力を持つオーグメントと化した本郷猛(池松壮亮)は、組織から生まれるも反旗を翻した緑川ルリ子(浜辺美波)の導きで脱走。迫りくる刺客たちとの壮絶な戦いに巻き込まれていく。

正義とは? 悪とは? 暴力の応酬に、終わりは来るのか。力を得てもなお、“人”であろうとする本郷。自由を得て、“心”を取り戻したルリ子。

運命を狂わされたふたりが選ぶ道は。

感想

やっと観てきましたよシン・仮面ライダー。映画館ではすでに1日1回上映のみ。お客さんも数えるほどでした。

さて、感想の前にワタシの立ち位置を明らかにしておきます。

エヴァンゲリオンはTVシリーズをほぼリアルタイムで観ていますが、最終回も含め「ふつうに面白いじゃん?で、何をそんなに騒いでるの?」的な感想でした。「シン」シリーズは「シン・ゴジラ」がものすごく面白かったので、以降全て観ています。あと、テレ東でやっていたドラマ「アオイホノオ」もとても面白かったので庵野秀明という人に興味はあります。特撮はよく知りません。オタクではありません。仮面ライダー初期の番組の記憶がある50代。おそらく観客としては「ライト層」に当たるのだと思います。

…ふう。

なんでしょう、映画の感想を語る前にこういうことを明らかにしておかないとイケナイという気分になるのが庵野作品の面白さというか、オタク文化の面白さなんですかね?戦国時代、合戦の前に「やあやあ、我こそは〜」って名乗りを挙げるアレに似てるな、なんて思ったりして。

ではごく一般的な映画ファンから観たシン・仮面ライダーの感想です。

面白かったかどうかで言えば、面白かったです。ちょいちょい気になる部分もありますが全体的には先日見た「AIR/エア」と同じ80点くらい。

良かったところ

池松壮亮は震えている

本郷猛=池松壮亮さんのキャスティングは見事です。これまで本郷猛を演じた役者は藤岡弘、、黄川田将也、藤岡真威人(藤岡弘、の息子)。いずれも180センチ越えの長身ですし目力が強く、力強い顔をしています。それに対し池松氏は172センチでなんつうか、いまにも泣き出しそうな顔をしている。「改造人間にされてしまった悲しみ」「暴力を抑えられない恐怖」あたりの感情はすでに池松壮亮に内包されているのでそこを描く時間が省けたな、って感じすらしますよ。先日「徹子の部屋」に彼が出ていたのですが「ラストサムライ」の前からずっと「役者なんて辞めたい」と思っていたとか。大人になった今でこそ口には出しませんが、なんだか今も「逃げたい…」そう思ってるような雰囲気がしますね。(あれ?碇シンジ君じゃん…?)何かを抑えているような声、抑揚のないセリフ回し、それと感情を表情ではなく「身体の震え」で表現しているシーンがあり、ぞわっとしました。いや、単に寒かっただけかも知れませんが。倒した敵に対し黙祷を捧げる場面も彼だからこその説得力です。

あの頃の気持ち悪さと怖さ

子供のころ、「かめんライダー!!」と言いながらテーブルの上から飛び降りるという遊びを延々繰り返していた記憶があります。その頃の子供向け番組全般に言えることですが、なんかちょっと怖いんですよね。単に画面が暗かったとか、フィルムで撮ったザラザラ感がそんな印象を与えていたのも知れませんが、それ以上に人間とバッタの合体って冷静に考えると怖くないすか?!それで「変身」つって人間からバッタになるのも。

まあこれ、ライト層ならではの感想かと思いますが、改めてこの設定の面白さを感じると同時に、今作は「昆虫の気持ち悪さ」とか「怖さ」が「子供の頃見た初期の仮面ライダー」の雰囲気を思い起こさせてくれます。PG12ということですが、日曜テレ朝のあっかるい感じを期待してこれを見たお子さまたちにはいい感じのトラウマとして記憶に残るでしょう。

気になったところ

そろそろ欲しい女性キャラの別パターン

「日本有数のオタク」「日本三大オタクの一人」などと評される庵野監督。非オタクのおばはんが観たらアレな感じの描写も「まあオタクだから仕方ないな…」となぜか許してしまうわけですが、さすがに女性のキャラクターはそろそろ別バージョンが必要なのでは?と思ってしまいます。浜辺美波さん良かったですけど、「いつもの」感じが否めないというか。女性の描き方っていろいろと言われがちな部分でもあるんでね…。

そんなこんなで興行的には厳しいようですが、仮面ライダーにあまり思い入れのないライト層こそ楽しめる作品では?と思いましたよ!

人生変わった度

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アマプラで観られる「シン」シリーズ置いておきます〜

シン・ゴジラ

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