基本情報
公開年:1997年
監督:マイク・リー(他監督作品:秘密と嘘 人生は時々、晴れ)
キャスト: カトリン・カートリッジ(ハンナ) リンダ・ステッドマン(アニー)
あらすじ
ロンドン大学時代、ルームメイトだったアニーとハンナ。30歳になり田舎の会社に勤めているアニー(リンダ・ステッドマン)は、短い休暇を利用して、大学時代のルームメイトで現在は文具会社の重役になっている親友ハンナ(カトリン・カートリッジ)と、およそ6年ぶりに再会。やがてふたりは、かつてともに過ごしたキャンパス・ライフを振り返っていく……。
感想
今日3月8日は国際女性デーだそうで。だからというわけではありませんが「キャリア・ガールズ」という映画の話をしようかな、と。ワタシがこの映画を見たのは主人公の彼女らと同じくらいの30代前半だと思います。なんとなくTSUTAYAで借りてきて夜一人で観て、もう中盤くらいから号泣し、ぐえぐえと泣いている間に終わってしまいました。(87分と短い映画です)。
どうしてそんなに泣いてしまったのかといえば、ハンナとアニーの関係が、高校時代からの親友とかぶりまくりだったんですよ。大学は別々だったし、さほどしょっちゅう会うわけじゃない。今なんて年賀状のやりとりしかしていません。でも親友といえば彼女の顔が浮かんでくる、そんな人です。
さて「キャリア・ガールズ」は「秘密と嘘」で知られるマイク・リー監督作品の中でもあまり知られていない作品で、おそらく一般的には評価も高くないでしょう。検索したら淀川長治先生の批評を読むことができましたがあまり褒めてないっていうか仕事だから観たけど別にどうでもいい…みたいな文章でありました。ストーリーも2人が再会し、過去がカットバックされるだけちゃっあ、だけ。
今では同じような手法を取る監督は多いと思いますが、マイク・リー監督は役者とのディスカッションを重ねてキャラクターをつくり上げていく独特の演出で有名です。もちろんこの作品も同様の方法で作られていてドキュメンタリーのようなリアリティがあり、それがまた観ているほうに突き刺さります。
6年会わなくても、まったく現状が違っても、「あの頃」のようにすぐに打ち解けられる2人。思い出す黒歴史もイタくて楽しい。この2人、大学時代に若さに任せてイタいやらかしをいろいろしており、見ているこっちまでイタい思い出が蘇ってきてなんとも酸っぱい気持ちになります。
なんだろう、その酸っぱさ込みで泣いちゃうわけですよ。
人生で一番泣いた映画といえばおそらくこの作品を挙げますが、正直もう一度見たいとは思いません。観ている間あまりにも色々なことを思い出して辛かったからです。
それからハンナを演じたカトリン・カートリッジは2002年に41歳で亡くなっています。(一度見たら忘れられない特徴的な顔だちの女優さんです。)そんなこともあり、思い出すだけでなんか泣きたくなる一本なのです。
それにしてもTSUTAYAで適当に手に取った一本が、たまたまこちらの現状とリンクしたことで忘れられない作品になるなんて、映画って本当に面白いよね〜。
人生変わった度
★★★★★★★
タイトルの「キャリア」とは「生きていくこと」だとワタシは思っています
Amazonプライムビデオには入っていないようです。配信しているところなさそう。残念!