基本情報
公開年:2011年
監督:ベネット・ミラー(他監督作品:カポーティー フォックスキャッチャー)
キャスト:ブラッド・ピット(ビリー・ビーン) ジョナ・ヒル(ピーター・ブランド) フィリップ・シーモア・ホフマン(アート・ハウ)ロビン・ライト(シャロン)
上映時間:133分
あらすじ
<以下公式サイトより引用>
メジャーリーグの常識を覆した、これは、真実の物語。選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も観なければ、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気で風変わりな男。ある時、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、周囲の反対を押し切って、後に“マネーボール理論”と呼ばれる戦略を実践していく。当初は理論が活きずに周囲から馬鹿にされるが、ビリーの熱い信念と、挑戦することへの勇気が、誰も予想することの出来なかった奇跡を起こす!!
ネタバレありの感想と雑学
どうにもこの映画好きでして、2回観ました。でも野球あんま知らないし実在のメジャーリーグの選手のこともよく知らないせいかよう分からん。でも面白い。その面白さとはなんなのか知りたくて3回目、吹き替えで観ました。やっぱりよく分からない。でも面白い。一体何故なんだ!!!…ということで野球をほとんど知らないワタクシなりの「マネー・ボールの面白さの理由」を3つにまとめてみました。
スピード感がすごい
ブラピ演じるアスレチックスのGMビリー。実際、本人もそうらしいんですが、すんごい短気です。んでいっつも紙タバコをペッとしているか、そうでない時はデスクの上のポップコーンみたいなお菓子をバリバリ頬張っている。口の中に何もない時はしゃべっている。お前は止まると死ぬマグロかっていうこの手の人、仕事相手で何人も見ました。こういう人って常に頭をフル回転させていて、立ったり座ったり貧乏ゆすりしたりくちゃくちゃと何か噛んでいたい人なんですよ。わあいるわ〜、いる!というリアルな人物造形。このキャラクターが動くおかげで映像として地味になりがちな「電話のシーン」や「交渉シーン」がドキドキするほどのスピード感を持ちます。とくにトレード最終日にビリーとピーターがあちこちに電話して交渉するシーンは「狭い部屋の中で登場人物は2人だけ」という制約があるのに、とても面白い場面になっており、ああ、この作品の面白さが凝縮されてんな〜と感動してしまいました。(ストーリー的には感動する要素なんぞないとこなんだけどね!)
実際の映像を使用
この作品、実話です。原作はマイケル・ルイスによるノンフィクション『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』。アスレチックスのGM、ビリー・ビーンがセイバーメトリクスなる統計学的な何か(野村ID野球とは違うらしいですぜ)を使って経営危機に瀕した球団を再建する姿を描いています。2002年のアスレチックスの20連勝も本当。そしてまるでドキュメンタリーのように当時の実際の映像をちょいちょい混ぜてきます。2001年にマリナーズに行き、活躍中だったイチローの姿もちらっと、本当にちらっと出てきます。(どこに出てくるかはお楽しみ!)
そうなると気になるのはビリーの現在ですね。映画はビリーがレッドソックスから破格の金額を提示されるも断り、アスレチックスに残るところで幕を閉じます。
実際のビリーはその後もアスレチックス一筋。GMを18年間務めたあと、2015年10月に野球部門上級副社長に昇進。アスレチックスはビーンの指揮のもと、地区優勝7度、ワイルドカード4度という結果を残しているそうです。
…と、野球界では浮気をしていませんが実はサッカー界に進出しているんだそうで。プレミアリーグのクラブチームの株主となりAIを使った選手の思考プロセスの分析なんかをしているとか。革新をもたらす人はいつまでも柔軟ですよね、やっぱり。
そしてもう一人気になるのがピーター。ピーターのモデルとなった人物、ポール・デポデスタはなんと今は野球界を離れ、現在NFLのチームの最高戦略責任者なんですって。イエール大で経済学→野球界→バスケ界とはなんと面白そうな人生!こういうことを調べてしまうと実話もの映画ってやっぱ面白いよなと思っちゃいます。
「マネーボール」はAmazonプライムビデオで観られます〜
ノンフィクションである原作本はこちら〜。