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【インディ・ジョーンズ・魔宮の伝説】39年ぶりの新発見!

 

 

 基本情報

公開年:1984年

監督:スティーヴン・スピルバーグ(他作品「E.T」「プライベート・ライアン」等)

キャスト:ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ) ケイト・キャプショー(ウィリー) キー・ホイ・クァン(ショート・ラウンド)

上映時間:118分

 あらすじ

<以下「インディ・ジョーンズシリーズ」公式サイトから引用>

邪教集団に挑んだインディが絶体絶命の連続!畳みかけるようなアクション演出が圧巻の第2弾!

インディ・ジョーンズと相棒のショート・ラウンド、ナイトクラブ歌手のウィリー・スコットは、ヒマラヤ上空の飛行機アクションから、インドの要塞のような鉱山を駆け抜けるトロッコ・チェイスまで、数々の冒険へと飛び込んでいく!

恒例の「パンフレット出てきちゃったシリーズ」。実家におきっぱだった段ボールの中から出てきた懐かしのパンフレットの映画を紹介しています。今回は中学生の頃に観た「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」。初めて観たインディ・ジョーンズシリーズで夢中になったんでしょう、パンフレットの間から雑誌(「ロードショー」か「スクリーン」)の切り抜き記事が出てきました。こういうの発見しちゃうと本当に思います。どうして映画の世界に行かなかったんだろう…。映画会社や配給会社を目指すという道はあったはず。ハリウッドに行ってみたってよかったんだよなあ〜…。もし人生に2周目があったら絶対にそうしますわ。

さて、このインディ・ジョーンズの二作目、実を言うと10年ほど前に3作揃ったDVDBOXを買ったんだけど、1(レイダース/失われたアーク)と3(インディ・ジョーンズ/最後の聖戦)だけ観てこの2番目(魔宮の伝説)はいつも飛ばしていました。テレビでも何度かやっていましたが「やってんな〜」とチラ見した程度。飛ばす理由は「女子供が足引っ張りすぎでイライラする」「一瞬だけどインディがダークサイドにいっちゃったりしてなんか全体的に暗い」「いくらなんでも話が子供騙しすぎる」ってあたり。しかし、パンフレットと切り抜きまで出てきちゃったので39年ぶりに改めて観てみたら新しい発見があり、やっぱり面白いよな〜って。「インディ・ジョーンズ人気ランキング」をググったところ、「魔宮の伝説」もふつうに人気あります。スピルバーグは「映画を子供のものにした」と批判もされていますますが、実際子供の頃にスピルバーグ映画を観ていた者からしたら「映画の楽しさを教えてくれた人」なんですわ。

…と、インディ・ジョーンズのことはみんなが知ってるという前提でここまで書きましたが念のためシリーズの順番書いておきますね。

 シリーズの順番と内容

①レイダース/失われたアーク→神秘の力を持つアーク(聖櫃)を探しにエジプトへ

②インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説→富と栄光をもたらす石を探す。舞台はインド。

③インディ・ジョーンズ/最後の聖戦→キリストの聖杯を探す旅。インディの父親(ショーン・コネリー)が出てくる父と息子の物語

④インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国→前作の19年後に公開。インディの息子が登場。宇宙人出てきちゃう。舞台は南米

⑤インディ・ジョーンズと運命のダイヤル→ごめん観てない。

それではここから 

 39年目の新発見3つ

※あくまで個人的な発見です

ヒロインのキャラはマリリン・モンローへのオマージュ?!

先ほども書きましたけど、「魔宮の伝説」を観なかった理由の一つは「女子供が足をひっぱってウザい」ことです。特にヒロインのウィリー。ずーっとギャーギャーと騒いでいます。はっきり言ってうるさい。80年代のアクション映画に出てくる女性はヒーローの添え物なのです。

しかし39年ぶりにちゃんと観て気づいたのですが、オープニングで歌うウィリーは素晴らしい。あのミュージカルシーンは50年代のMGMミュージカルへのオマージュですよね。そんでウィリーのキャラクターは同年代に20世紀FOXで作られた「紳士は金髪がお好き」のマリリン・モンローのキャラクター「ローレライ」にとてもよく似ています。歌手、おバカで話が通じない、ダイヤモンドに目がない、玉の輿願望が強い。「魔宮の伝説」ではマハラジャの妻の座を狙ったのに、当のマハラジャが子供だったのでがっかり…というシーンがありますが、「紳士は金髪がお好き」にもまったく同じエピソードが出てきます。

まあ、この時代の「女性キャラ」はまだバリエーションが少なかったのでたまたまローレライとウィリーが似てしまったのかも知れませんが、ローレライがユニークでかわいく実は賢い女性に見えたのに対し、ウィリーは微妙…。役者の差なのか脚本なのか?まあ、スピルバーグは女性を撮るのが苦手と言われる所以でもあります。あ、その後スピルバーグはウィリーを演じた女優のケイト・キャプショーと結婚。今でも添い遂げているようです。良かった良かった。

あの天才子役は51歳になっても天才だった

「インディの足をひっぱる女子供」と書いておいてナンですが、子供のほうはそれでもなかなか役に立ちます。その子供、ショート・ラウンド役は中国系ベトナム人キー・ホイ・クァン(一時ジョナサン・キーと改名)。オーディションは「インディとポーカーをする」というもので、それがあまりにも良かったので本編でもポーカーシーンを入れたのだとか。改めて観るととても表情がいいんですよねショート君。特に「悪魔の血」を飲まされてダークサイドに落ちたインディの目を覚まさせた後のシーン。「本当に目が覚めたのかな?元の優しいインディに戻ったのかな?」という不安を抱きながらインディを見あげる、その心細げな顔は母性本能をくすぐると言うか、胸がキュッとなりますね〜。

キー・ホイ・クァンはその後「グーニーズ」にも出演しますが、アメリカではなかなかアジア系俳優の需要がない時代。南カルフォルニア大学映画学部で学び裏方として活躍します。

そして2022年の作品「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で俳優業に復帰、51歳でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞したことが最近ニュースになりましたよね〜。あんだけ魅力的な表情を見せてくれる役者さんの復帰、心から嬉しいです。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(タイトルなげえな)も面白そうだし!(追記:その後キーはこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞。喜びを全開にしてはしゃぐ姿はショート君時代と同じでしたね…目頭が熱くなりました)

※エブエブレビューはこちら。

kyoroko.com

インディは私利私欲でしか動かない?!

今さら?!…というツッコミが聞こえてきますが、改めて観てインディジョーンズというキャラクターの魅力に気付かされました。今回気がついたのは「この男かなり重要な決断を私利私欲で決めてねえか?」ということでした。

今作でもこんなシーンが。インディ一行(インディ、ウィリー、ショート)はたまたま流れついた村で「盗まれた大切な村の石、シバリンガ」を取り返して欲しいと長老に頼まれます。

長老「あの石がなくなったせいで村には厄災が降り注いでいる」

インディ「…」(渋い顔をしてやる気なし)

長老「子供たちがみんないなくなってしまった」

インディ「…」(渋い顔をして動かず)

しかし、シバリンガが「富と栄光をもたらすサンカラストーン」ではないかと気づいたインディ、「ニヤリ!!」(俄然やる気出る)

そして「子供たちを救う」というテイで悪の宮殿を目指します。

正義感の皮をかぶったなんという私利私欲!

後半、囚われた子供たちを目の前にして正義感で我を失うみたいなシーンがありますが、ぜんぜん払拭できませんよ。あの「ニヤリ」を見てしまったあとには。

魅力的なキャラクターって、ダメが7割、いいところが3割だとワタシは勝手に思っています。私利私欲で動き、女性につまずき、決して筋肉隆々の無敵ではない。でもハンサムで有名な考古学教授。なんというちょうど良さでしょう。そりゃあ時代を超えて愛されるわけです。

「インディ・ジョーンズ」Amazonプライムビデオで見られます〜。いちおう順番通りに置いときますね。

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